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子育てコラム

待てないのは、わがままじゃない 子どもの脳と「時間」の話

  • 5月30日
  • 読了時間: 4分

「あと5分待ってね」


そう伝えたのに、

すぐに


「まだ?」

「もう行こう!」


何度説明しても伝わらなくて、

つい


「どうして待てないの!」


と声が大きくなってしまう。


子育ての中で、

そんな場面を経験したことがある方は

多いのではないでしょうか。


待てないのは、わがままじゃない 
子どもの脳と“時間”の話

大人はつい、

「少しくらい待てるはず」

と思ってしまいます。


でも実は、

幼い子どもにとって『待つ』ということは、

私たちが思っている以上に難しいことです。


それは、

わがままだからではありません。


子どもの脳が、

まだ“時間”を理解している途中だからです。



子どもは「今」の世界に生きている


1〜2歳頃の子どもにとって、

世界の中心は

「今、この瞬間」です。


「あとで」

「明日」

「10分したら」


大人には当たり前の言葉でも、

幼い子どもにとっては、 

まだ実感を持って受け取ることが難しい表現です。


なぜなら、

時間は“見えない”からです。


おもちゃのように触れることもできず、

色や形があるわけでもありません。


幼い子どもは、

見えるもの、触れられるもの、

今ここにあるものを通して、

少しずつ自分の世界を理解していきます。


だから、

「あと5分」がわからないのは、

理解しようとしていないのでははなく、

まだ“感じ取る準備”の途中なのです。


待てないのは、わがままじゃない 
子どもの脳と“時間”の話


「過去」が全部「昨日」になる時期


3〜4歳頃になると、

「昨日、公園行ったね」

「昨日、アイス食べた」

と過去の出来事を話す姿が増えてきます。


でも実際は、

それが1週間前の出来事だった、ということもよくあります。

反対に

「今度、行こうね」

と話していたことを、まるで行ったかのように話すこともあります。


これは、

嘘をついているわけではありません。


子どもの中で、

過去・現在・未来という

時間の流れがまだ整理されている途中だからです。


幼児期の記憶は、

「いつのことか」よりも、


「楽しかった」

「嫌だった」

「怖かった」

「うれしかった」

という感情と強く結びついています。


つまり子どもは、

“時間”より先に、

“気持ち”で世界を覚えているのです。



「待つ」は、とても高度な力


「待つ」ということは、

実は様々な力が必要です。


・今すぐやりたい気持ちを抑える力

・後でできることを想像する力

・見通しを持つ力

・気持ちを切り替える力


これらは、

脳の『前頭前野』という部分か大きく関係しています

そして、『前頭前野』の発達はとてもゆっくりです。

熟成するのは、

20代頃とも言われています。


つまり幼児期は、

まだその力の『土台』を作っている途中で

むしろ、

発達の途中にある子どもとして、

自然な姿なのです。



「言葉」より「見える形」で伝える


ここで大切なのは、

『どうやって待たせるか』

だけではありません。


本当に大事なのは、

『子どもが待てるように、大人が環境を整えられるか』

という視点です。

待てないのは、わがままじゃない 
子どもの脳と“時間”の話

幼い子どもは

頭の中だけで時間を整理することが

難しいため、

『見える形』があると理解しやすく

安心できます。


例えば

・砂時計やタイマーを一緒に見る

・「長い針がここまで来たら行こうね」と伝える

・「あと3回滑ったら帰ろう」と数を伝える(数がわかれば)

・「このテレビが終わったらご飯にしよう」

と区切りをわかりやすくする。


こうした工夫は

ただ『言うこと聞かせる技術』ではありません。


子どもが終わりを目で見て確認出来る

『終わりがわかる安心』

を作ってあげているのです。


見通しが持てると、

子どもの脳は少し落ち着きます。


逆に、

先が見えない状況は、

大人が思う以上に不安なのです。



「待てた」の積み重ねが力になる


最初から5分待つことは難しくても、

30秒なら待てるかもしれません。


小さな「待てた」の積み重ねが、

『見通しを持つ力』を、

少しずつ育てていきます。


そして、

待てた時に大切なのは

「待てたね」

「頑張って待っていたんだね」

と、その過程を認めてもらえることです。


その経験が、子どもの中に

「待つことができる自分」

という小さな自信を育てていきます。


待てないのは、わがままじゃない 
子どもの脳と“時間”の話

待てないのは、

意地悪だからでも、

わがままだからでも、

育て方の失敗だからでもありません。


それは今、

脳が一生懸命育っている途中だからこそ見られる姿です。


だからこそ、

大人に必要なのは、

『早くできるようにすること」

ではなく、

『今の発達に合った支え方を考えること』

なのかもしれません。


今、頑張って成長しようとしているわが子に

教え込んだり、

イライラして叱ったりする前に


まず大人が、

「まだ途中なんだな」

と理解できること。


その安心が、

子どもの『育つ力』を支えていくのだと

思います。



未来幼児教育研究所では、

脳科学の視点から子育てと保育を考えるヒントをお届けしています。

育児や保育のことで気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。


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