赤ちゃんの「あー」「うー」にも意味があります
声を出すことから、ことばと人とのやり取りが始まります
子育てには、不安や迷いがつきものです。 このコラムでは、「安心には理由がある」という視点から、子どもの育ちを一緒に考えていきます。
生後2~3か月ごろになると、赤ちゃんが、
「あー」 「うー」
と声を出すようになります。
「何か言っているのかな?」
「まだ言葉じゃないから、特に意味はないのかな?」
そんなふうに思うことはありませんか?

もちろん、この時期の「あー」「うー」が、大人の言葉のように一つひとつ意味をもっているわけではありません。
でも、赤ちゃんにとって、声を出すことそのものに、ちゃんと意味があります。
赤ちゃんは、自分で声を出してみながら、
「こんな音が出た」
「声を出すと気持ちいいな」
と、自分の声を確かめています。
そして、その声に大人が、
「そうなの?」
「お話ししているの?」
「うれしいね」
と返してくれると、赤ちゃんはまた声を出すことがあります。
赤ちゃんが声を出す。
大人が応える。
また赤ちゃんが声を出す。
こうしたやり取りが、だんだんと始まっていきます。
これは、言葉を話す前の「会話」の始まりです。
赤ちゃんは、このやり取りの中で、
「声を出すと応えてくれる」
「自分の声が届いた」
「この人とやり取りするのは楽しい」
という経験を重ねていきます。
その経験が、人と関わりたいという気持ちや、これから言葉を使って伝えていく力につながっていきます。

また、「あー」「うー」と声を出すことは、口や舌、息の使い方を経験していく時間でもあります。
声を出したり、音を変えたりしながら、赤ちゃんは言葉を話すための準備をしているのです。
だから、赤ちゃんが声を出していたら、特別なことを教えなくても大丈夫です。
目を見て、
「そうなんだね」
「聞こえたよ」
と声を返してみてください。
赤ちゃんの声をまねして、
「あー」
と返してみるのも楽しいやり取りになります。
よく声を出す子もいれば、静かにじっと見つめている子もいます。
いつも応えられなくても大丈夫です。
気づいたときに声を返してあげることも、大切なやり取りになります。
大切なのは、正しい言葉を教えることではありません。
赤ちゃんが出した声を、大人が受け止めて返してあげること。
その小さな積み重ねの中で、赤ちゃんは、
「人とやり取りするって楽しいな」
という気持ちを育てていきます。
子どもは、自ら育とうとする力を持っています。
毎日の何気ないやり取りの中にも、子どもの育ちにつながる時間があります。
まだ言葉にならない「あー」「うー」も、
人とつながり、言葉へ向かっていく大切な声なのです。
安心には理由があります。
育児や保育のことで気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。
未来幼児教育研究所 所長/安心子育てアドバイザー 鈴木 甲子




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